財産的な価値を持つ権利を、紙の券面などの形で具体的に表したものです。代表的なものには「株券」や「債券(社債券)」があります。不動産証券化によって生み出される投資証券などもこれに含まれます。法律、特に金融商品取引法では、どのようなものが有価証券にあたるかを具体的なリスト(限定列挙)によって厳密に定めており、投資家保護の対象を明確にしています。
「株式」とは、株式会社のオーナーの一員としての地位や権利そのものを指す抽象的な概念です。一方、「株券」とは、その株式という権利を証明するために発行される物理的な紙の証券(券面)を指します。金融商品取引法が有価証券を定義する際には、この「株券」という具体的なモノを指す言葉が使われています。これは、法律が作られた当時は物理的な券面の存在が取引の前提となっていたという歴史的背景を反映しているためです。この違いを理解することは、法律の条文を正確に読み解く上で重要となります。
法律上、厳密には「有価証券」の定義(金融商品取引法第2条1項)には含まれないものの、その経済的な性質や投資家保護の必要性から、有価証券と「みなして」同様の規制を適用するものを指します。具体的には、「信託の受益権」や「集団投資スキーム持分」などが該当します。これらは物理的な券面が存在しないことが多いですが、有価証券と同様に投資対象となるため、金融商品取引法第2条2項によって規制の対象とされています。