2020年に日本政府が宣言した、2050年までに温室効果ガスの排出を全体として実質ゼロにするという目標です。これは、特定の燃料の使用をゼロにするのではなく、CO2などの排出量から、森林管理などによる吸収量を差し引いた合計値をゼロにすることを意味します。不動産分野は国内のエネルギー消費の約3割を占めるため、この目標達成に向けた法規制強化(改正省エネ法など)の直接的な対象となっています。
快適な室内環境を保ちながら、建物の運用で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロ以下にすることを目指した建物のことです。省エネ性能の高い断熱材や窓を使う「パッシブ技術」、高効率な空調や照明を導入する「アクティブ技術」、そして太陽光発電などでエネルギーを創る「創エネ技術」を組み合わせて実現します。政府が2050年の目標として、新築される建物の標準をZEB水準にすることを目指しているため、今後の不動産開発における重要なキーワードです。
建物の省エネルギー性能を評価するための指標です。国が定める標準的な建物が消費するエネルギー量を1.0として、設計された建物がどれだけエネルギーを消費するかを数値で表します。この数値が小さいほど、省エネ性能が高いことを意味します。例えば、BEIが0.6の建物は、標準的な建物より40%エネルギー消費が少ないことを示します。改正建築物省エネ法やZEB認証の基準として用いられる、客観的な物差しです。
建物のライフサイクル全体(資材の製造、建設、改修、最終的な解体・廃棄)で排出される温室効果ガスの総量のことです。建物の「運用時」に使われるエネルギー(オペレーショナルカーボン)とは区別されます。ZEB化などで運用時のエネルギー消費が削減されるにつれて、建物の生涯排出量に占めるエンボディドカーボンの割合が相対的に重要になってきており、脱炭素化の次の焦点とされています。
事業者の活動に関連する他社の間接的な温室効果ガス排出量のことで、原材料の調達、従業員の通勤、販売した製品の使用、そして投融資先などが含まれます。特に不動産業や金融業にとっては、自社のオフィスで使う電力(Scope2)よりも、投資先の不動産(Scope3)からの排出量がはるかに大きいため、サプライチェーン全体での排出量として把握・開示することが強く求められています。