企業が事業に投下した資本から得られる収益率が、その資本を調達するためにかかるコストを上回るべきである、という基本的な考え方です。株主から預かった資金を、株主自身が市場で運用して得られるリターン以上に増やすことができて初めて、企業は価値を創造したと評価されます。この原則は、経営判断を行う上での最も重要なものさしとなります。
企業が事業活動のために投下した資本(総資産)に対して、どれだけ効率的に本業の利益(税引後営業利益)を生み出しているかを示す指標です。計算式は「税引後営業利益 ÷ 総資産」となります。この数値が高いほど、資本を効率的に使って稼ぐ力が強いことを意味します。
企業が事業を行うために必要な資金を、株主や金融機関などから調達する際に発生するコストのことです。これは、投資家側から見れば、その企業に投資することで期待する最低限のリターン率(機会費用)を意味します。企業は、この資本コストを上回る収益を上げなければ、投資家の期待に応えられず、企業価値は向上しません。実務では、借入にかかるコストと株式調達にかかるコストを加重平均したWACC(加重平均資本コスト)がよく用いられます。
企業が稼いだ税引後営業利益から、資本コストを金額換算した資本費用(総資産 × 資本コスト)を差し引いた、真の利益のことを指します。会計上の利益は資本のコストを考慮していないため、この経済的付加価値がプラスになって初めて、企業は資本コストを上回る価値を創造したと判断することができます。
ある選択肢を選んだことによって、選ばなかった他の選択肢から得られたはずの最大の利益のことを指します。企業価値評価の文脈では、株主がその企業に投資せず、同じくらいのリスクを持つ別の金融商品などに投資していた場合に得られたであろうリターンのことです。これが資本コストの基本的な考え方となっています。