財産の所有と管理を分離するための法的な仕組みです。具体的には、財産の所有者(委託者)が、信頼できる専門家である受託者(信託銀行など)に財産の名義を移し、特定の目的のために、指定された人(受益者)の利益になるよう管理・運用・処分を任せる制度を指します。不動産証券化では、不動産そのものではなく、この信託制度を利用して作られた「信託受益権」を売買の対象とすることが多く、倒産隔離の確保や税務上のメリットを享受するために重要な役割を果たしています。
銀行業務と信託業務の両方を行うことが法律で認められている特殊な金融機関です。通常の銀行として預金や貸付を行う一方、信託の専門家(受託者)として顧客から不動産や金銭などの財産を預かり、管理・運用する役割を担います。不動産証券化においては、不動産の所有者(受託者)になったり、不動産仲介を行ったりと、その多岐にわたる機能から中心的なプレーヤーの一角を占めています。
信託業務を行う上でのルールを定めた法律です。特に2004年の大幅な改正が重要で、この改正によって信託できる財産の範囲に関する制限が撤廃されました。その結果、従来は対象外だった特許権や著作権といった知的財産権も信託できるようになり、信託の活用範囲が大きく広がりました。また、金融機関以外でも信託業に参入できるようになったため、より多様なプレーヤーが信託ビジネスに関わるきっかけとなりました。