不動産の価格は、株式のように一つの決まった価格があるわけではありません。同じ土地でも、目的によって「地価公示」「基準地価」「相続税路線価」「固定資産税評価額」という4つの異なる公的な価格が設定されています。これを一物四価と呼びます。なぜ複数の価格が存在するのかというと、地価公示は一般的な土地取引の目安、基準地価は都道府県による取引規制の基準、相続税路線価や固定資産税評価額は税金を計算するため、というようにそれぞれ異なる目的を持っているためです。これらの指標は不動産市場の動向を把握するための基本的な情報となります。
「土地の価格は絶対に下がらない」と信じられていた、過去の社会的な共通認識のことです。この背景には、戦後の高度経済成長期からバブル期にかけて、日本の地価が一貫して上昇を続けたという歴史があります。しかし、1991年のバブル崩壊によって地価は大きく下落し、この「土地神話」は崩壊しました。この経験は、不動産投資にもサイクルがあり、価格下落のリスクが常に存在するという重要な教訓を市場に与えました。
不動産の売買が「いくらで」「誰によって」行われたかを示す情報のことです。不動産は株式と異なり、個別の相対取引が中心であるため、成約価格などの情報を手に入れることは簡単ではありません。しかし近年では、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」や、J-REITなどが公表するIR情報を通じて、取引価格のデータが少しずつ公開されるようになりました。これらの情報を分析することで、市場の活性度や将来の価格動向を予測する手がかりを得ることができます。